国語教師の太宰府から読解力と要約力について指導を受けている天野と早瀬。今回は文章の中からキーワードを見つけるテクニックを学びます。
読解力とは文章を読んで要約すること。その要約文を作る際に重要なのがキーワードの見つけ方。キーワードを正しく見つけることができれば正確な要約文を書けるようになるんだとか。
もくじ
文章の中からキーワードを見つけるテクニック
読解力がある人とは?
- キーワードを探す
- キーワード同士を繋げる
- 短文を作る
- 要約する
この工程を円滑に進めることができたら読解力が身についたことになるんだそうです。
天野と早瀬が実際に挑んだのは1999年に芥川賞を受賞した平野啓一郎さんの『私とは何か「個人」から「分人」へ』の一説。ちなみにこの本は入試問題としてよく使われているとのことで、太宰府先生曰く「全文読むことをおすすめします」とのこと。
まずは10分読んで、自分がキーワードだと思う語句を抜き出すことに。
- 強調されている言葉
- 繰り返し使われている言葉
- 言い換えられている言葉
などをヒントに抜き出す2人。そして過不足あるものの、重要なキーワードを選抜することに成功。
早瀬が選んだキーワードは、
- 本質
- 人間関係
- 自我
- 分人
- 個人
天野が選んだキーワードは、
- 個人
- 現代
- 分人
- 本質
- 個性
- 本音
正解は、
- 分人
- 個人
- 現代
- 人間関係
- 自我
そしてそれらのキーワードがタイトルに含まれていると指摘する太宰府先生。
キーワードの見つけ方
テクニックその1
タイトルから探せ!
タイトルには作者がもっとも言いたいことが含まれているため、自ずと文章の中にも頻繁に出てくるもの。なのでもっとも見つけやすいキーワードとしてチェック。
テクニックその2
最初と最後の段落に出てくる言葉から探せ!
ほとんどの評論文は序論・本論・結論の3つのパートで構成されています。
- 序論→何が問題か
- 本論→解決のための方法・具体例
- 結論→主張
が書かれます。つまり作者が言いたいことは序論と本論であり、文章のはじめと終わりにキーワードとして強調されているものなんだとか。
テクニックその3
接続詞にくっついている文章から探せ!
- つまり→言い換え
- しかし→逆説
- だから→因果
これらの接続詞で始まる文章にはキーワードが含まれる場合が多いそう。この3種類の接続詞には▽マークをつけて続く文章を「」で括る。複数の「」で括った文章を見比べて、同じ内容が繰り返されていたらそれがキーワードです。
要約文を完成させる
3つのテクニックを駆使してキーワードを見つけたら、キーワードを並べてみたり、繋げてみたりして短文を作り、できた短文を並べ替えれば要約は完了。文章の読解に成功したことになります。
太宰府先生の言葉
国語は何も難しいことはありません。難しいと思うのは文章の構造を知らないため。構造を知れば国語は実に簡単。なにせ全部日本語なのですから。
事務所に戻った水野。早瀬が英語のツイッターをやっていないことから『あいつの脳は努力できない脳』だと断言する桜木。
次号・努力できない脳とは??
感想
日本語を構造で読み解く太宰府先生の言葉には説得力がありますね。母国語だからこそ、構造を気にすることなく読み書きできてしまう日本語。科目で言うと国語になるわけですが、全ての日本人が必ずしも国語が得意という訳ではないのは、構造を理解できていないからなのかも知れません。
太宰府先生の指導を文字にしただけでもすごく難しく、面倒に感じてしまいます。でも、英文を要約しなさいと言われるよりはよっぽどやれそうな気がします。
東大受験はしませんが、普段の会話や書く文章の中でも、構造だったり、自分が一番伝えたいキーワードを意識してみたり、それを繰り返してみたりするだけで、相手への伝わり方は変わってくるかも知れません。
日本人ですから、日本語を使いこなしたいですね。