2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」
中村勘九郎さん演じる“オリンピックに初参加した男”金栗四三と共に、主人公として描かれるのが、阿部サダヲさん演じる“オリンピックを呼んだ男”田畑政治です。
“オリンピックを呼んだ男”とは、一体どんな男で、どんなことをしたのでしょうか?
気になったので調べてみました。
名前:田畑 政治(たばた まさじ)
誕生:1898年12月1日
死没:1984年8月25日
出身地:静岡県浜松市
出身中学:浜松一中
※現在の静岡県立浜松北高等学校
出身大学:東京帝国大学
※現在の東京大学
●NHK大河ドラマHPでの説明
“水泳のために生まれた男”、といっても本人は病弱で泳がない。
地元の浜名湾でコーチとして日本水泳の礎を築いた。
政治記者をしながら、「ロス・ベルリンの両大会」に参加。
“日の丸”に涙する日系人の観客を見て、“平和の祭典”としてのオリンピックに魅了される。
以来「東京オリンピック」の実現に執念を燃やすも、戦争により幻となる。
だが、情熱は失わない。
敗戦の食糧難の中、マッカーサーと直談判、いち早くスポーツ界の国際復帰に成功し、復興を願う人々の支えとなった。
目的に向かい猪のように突進する熱情家で、ついには1964年の「東京オリンピック」を実現する。
田畑政治と言いますと、大河ドラマでもメインとして描かれることになるでしょうが、1964年東京オリンピックの招致活動におけるキーマンの一人として有名です。
ただ経歴を見ると、その人生の多くは“水泳”と共にあったようです。
NHKの説明でも、“オリンピックのため”ではなく、“水泳のために生まれた男”となっているのはそのためでしょうね。
田畑氏は大学を卒業後、
朝日新聞社(東京朝日新聞)に入社し、その後政治経済部長などを務め、常務にまでなりました。
その一方で水泳指導者としても活動しており、1932年のロサンゼルスオリンピックなどの大きな大会で、日本代表の監督を務めました。
1939年には、日本水泳連盟(当時の名称は大日本水上競技連盟)に新たに設けられた理事長に就任し、戦後の1948年には日本水泳連盟の会長に就任します。
すると、ここで大きな功績を残しました。
当時の日本は敗戦によって、1948年のロンドンオリンピックへの参加を断られていました。
そこで田畑氏は、日本選手権の決勝をロンドン五輪と同日開催するなど、参加を認められなかった日本代表(古橋廣之進・橋爪四郎ら)の実力を世界にアピールしたのです。
戦略は功を奏し、翌年の1949年に国際水泳連盟(FINA)への復帰が認められました。
その功績も影響したのか分かりませんが、1952年のヘルシンキオリンピック、1956年のメルボルンオリンピックと二大会連続で日本選手団の団長を務めています。
戦後間もない時期から東京へのオリンピック招致を訴えており、五輪招致活動においては中心人物の一人として活躍しました。
そして1964年の東京開催が決定すると、その組織委員会の事務総長に就任して、開催に向けて活動しました。
女子バレーボールを正式種目に加えるためのロビー活動の陣頭指揮にも立ったと言います。
田畑氏がいなければ、もしかしたら“東洋の魔女”と呼ばれ日本中が熱中させられることも、今の女子バレーの人気も、なかったかもしれませんね。
その後、1973年-1977年まで、日本オリンピック委員会(JOC)会長も務めています。
大河ドラマでは、オリンピック招致活動の辺りを重点的に語られるのだと思います。
それから、もう一人の主人公・金栗四三とは直接的な関わりがないようですね。
この辺りをどう描かれていくのか、気になります。