第89回選抜高校野球大会が、まもなく開幕します!
今年は清宮幸太郎選手(早稲田実)や安田尚憲選手(履正社)など、野手に注目選手が多く、打高投低と言われていますね。
→選抜高校野球部2017ドラフト注目選手!投手編!
しかし、今大会に世代ナンバーワン投手との呼び声高い選手が出場します。
それが、熊本県代表・熊本工業の山口翔投手です!
熊本地震で被災し、活動自粛を余儀なくされながらも、“熊工”の屋台骨を背負う主戦として、県大会準優勝、九州大会ベスト4へ導く力投を見せました。
そこで、今回は山口選手をご紹介させていただきます!
名前:山口 翔(やまぐち しょう)
生年月日:1999年4月28日
出身地:熊本県熊本市
身長/体重:180cm/70kg
投打:右投右打
所属:熊本工
寸評:最速149キロを誇る本格派。直球を軸に、小さく曲がるスライダー、チェンジアップを交じえる。課題は制球力。
落合東小学校(広島)4年生の時に高陽スカイバンズで軟式野球を始め、6年生の時に引っ越し、日吉小学校の少年野球クラブに所属して遊撃手兼投手として活動していました。
日吉中学に進むと軟式野球部に所属し、3年生の時には投手で市大会優勝に導くなどして、その実力が知られるようになりました。
進学にあたっては、私学強豪校からも誘いがあったそうです。
ですが、その中から公立高校で古豪の熊本工高を選びました。
その理由が、
「中学当時、九州学院が強くて、強い相手を倒して甲子園に行きたいと思った」
という、なんともガッツあるものでした。
山口投手の性格を表していますね。
チームのエースに相応しい強い心の持ち主ではないでしょうか。
熊本工では1年秋から控え投手(背番号10)としてベンチ入りすると、ひと冬で球速を141キロまで伸ばし、2年春からエースとなりました。
ところが、春の県大会初戦前日の走塁練習で右足首のじん帯を痛めてしまい、約2カ月も戦線離脱することになってしまいました。
そしてその間には熊本地震も起こり、車中泊や体育館での避難生活も経験しました。
困難な状況の中でも懸命なリハビリを行い、夏の県大会に間に合わせました。
大会ではセンバツ4強・秀岳館と準々決勝であたり、1回途中から最後まで投げ切りました。
結果は6対6の延長10回裏、一死満塁から松尾大河選手(現DeNA)のグリップ付近に当ててしまい、痛恨のサヨナラ押し出し死球と、惜敗でした。
しかし、山口選手は逆境に燃える男です。
この一球が、山口選手を更なる成長を促しました。
夏場は猛暑の中で身体を徹底的に鍛え、春に遅れた分を取り戻します。
そして秋の県大会では、2回戦と準決勝で自己最速の149キロを計測。
チームを春の甲子園へと導きました。
熊本工の春の出場は、主将・藤村大介(現巨人)を擁して以来、10年ぶりとなります。
今大会、熊本工は初日(3月19日)の第3試合に登場します。
しかも相手は前年覇者として連覇を狙う智弁学園(奈良)です。
ですが、山口選手が臆することはありません。
初めての甲子園のマウンドが仕方ないようで、
「全国を経験したことがない。自分の力がどれだけ通用するか、試しみたい」
と語ります。
ですからぜひとも、今大会は山口選手のピッチングに注目してください。
壁にぶつかるたびに強くなっている彼が、“打高投低”の現状を打開するかもしれませんよ!!