こんにちは。
「砂ゼロアサリ」というのをご存知ですか?
福岡・博多の特産物にすべく、今秋試験販売も始めるということで興味を持ち、調べてみました。
「砂ゼロアサリ」は干潟ではなく陸上の水槽などで育てられているアサリです。
そのため、砂をアサリが吸い込むことなく育てることができ、調理の際の砂抜きが不要になるんです。
砂抜きって面倒ですし、しっかり砂抜きをしたと思っても、いざ食べてみると、
「ジャリ……」
なんて不快な思いをすることがありますよね!!
そのために嫌いな人もいるのではないでしょうか?
その心配がなくなると思うと、かなりいいですよね!
「砂ゼロアサリ」の養殖実験は、福岡市にて行われており、全国初の取り組みだそうです。
2015年7月28日に、福岡市の志賀島の施設で行われた「砂ゼロアサリ完全養殖試験スタート」の式典で高島宗一郎市長は、
「新しいブランドの確立という意味でも画期的なチャレンジになる。ぜひ(養殖実験を)成功させたい」
と述べられています。
それというのも、アサリは全国的に漁獲量が減っているんです。
農水省によるとアサリ類の漁獲高は、干潟の減少や魚類による食害などで2004年の約3万6500トンから、14年は約1万9400トンにまで減少。
福岡市内でも14年は11トン余と08年の10分の1にまで落ち込んでいます。
養殖実験はその対策の一つとして15年度に、福岡市が事業費約700万円で市漁協に委託して始めました。
熊本県上天草市で二枚貝の養殖を研究している藤芳義裕さんのアドバイスを受け、車エビの養殖に使われていた直径15メートル、深さ約1メートルの水槽を使い、15年7月から実施されています。
養殖は無菌化した海水が入った水槽で産卵させ、ふ化した種苗(幼生)は4カ月ほどかけて約1ミリの稚貝に育てられます。
無菌化した海水を使用することで、アサリの幼生の外敵である動物性プランクトンや細菌類が抑えられるそうで、
「全くと言っていいくらい検出されない」
とのこと。
また成長も順調に進むそうです。
その後は、魚がアサリを食べる食害を防げるためのかごに入れて、博多湾内のいかだにつるして更に成長させます。
稚貝を海の中に吊るして育てる方法は、既に行われていたそうですが、「砂ゼロアサリ」がこれまでと違うところは、水槽で育てるところで、そのおかげで「砂ゼロ」が実現できたそうです。
産卵は順調で、種苗は15年秋に10万個、16年の春は50万個、秋には数百万個と増加。16年12月には大きい物は3センチ近くまで成長しました。
サイズはまだ小さいですが、「砂ゼロアサリ」の味は上々だそうです。
「水底でプランクトンの死骸も食べている通常のアサリと違って、水中で生きたプランクトンしか食べない」(藤芳さん)
とうのが理由とみられています。
市の担当者も、
「うまみと甘みが全然違うとプロの料理人が太鼓判を押した」
と話しています。
養殖技術をマニュアル化すれば若者や女性の新たな就労も望め、アサリによる海の浄化も進むと期待が高まっています。
ただ、「砂ゼロアサリ」にはコストの問題があります。
漁船を動かすことなく、干潟で採れる天然のアサリと比べて、養殖するのにお金がかかり、アサリの価格も跳ね上がってしまいます。
そのため、アサリの生産量の確保を考えた時、養殖よりも、稚貝の放流や干潟の再生などを検討するケースが多いそうです。
それでも福岡市水産振興課は、
「試験的な販売ではまだ量は望めないが、将来多くの市民に味わってもらいたい」
と普及を目指しています。
「砂ゼロアサリ」が一般的になるのはまだまだ先のようですで、どこで買えるのか?値段などもまだまだ確定していないようですが、博多の特産物として全国に広まることを期待したいと思います!